ちーやんの気ままな生活

じじいライダーの気まぐれブログです

サコツ生活-番外編

8月17日(金) 

ご主人様の鎖骨骨折手術から今日で1ヶ月。

ご主人様も最近では、孫を抱いて散歩するほど回復して

好々爺になっております。


あ、申し遅れましたが、

私、BMW650GSセルタオと申します。


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こちらにご厄介になって早5年。

この5年間、ご主人様と通勤に、林道ツーリングに、

果ては遠く北海道へのキャンプツーリングと、

走り続けてまいりました。

たくさんの思い出があります。

とくに北海道ツーリングでは、

街灯も無い夜の真っ暗な山道をドキドキしながら走り、

やっとキャンプ場にたどり着きホッとしたことや、

台風の真っ只中を青森から千葉まで

ぐしょぐしょになって帰り着いたことなど、

今思い出しても肝を冷やすようなことばかりでした。

でも、そのことでご主人様との絆が

より強くなった気もいたします。



ただ寂しいことに、

ご主人様はこの一ヶ月間

まったく私に乗ってくださいません。

もちろん骨折していらっしゃるのだから、

ご無理であることは重々承知しております。

ですから、ツーリングにお供させてください

などとは言いません

でもせめて、エンジンだけでも

たまにかけてくだされば、

私も少しは気が晴れるのですが・・・

私のことをお忘れになったのでは無いかと

夜も眠れぬ思いでございます。



そんなある日、

ご主人様が突然私のカバーを外し、

なんと洗車をしてくださったではありませんか。


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しかも、バッテリー液やオイルの補充までしてくださり、

お腹の中のETCまで外して、

きれいに拭いてくださいました。

ETCのコードは何箇所も

タイラップで止めてあり

狭い隙間にはり巡らせてあり

取り外すのにかなり苦労されてました。

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やっぱりご主人様は私のことを

お忘れになったのではなかったのですね。

でも、なんでETC外されるのでしょう?

あぁ、もう無理をせず

高速道路は走らないんですね。


真夏の暑い日差しを浴びて、

身体の水滴が蒸発するのを感じながら、

私はご主人様の愛情を思い

そっとオイルを、あ、いや涙をこぼすのでした。





と、そこへこの辺では見かけない

バイクを積んだトラックが、

ご主人様の家の前にやってきました。

やけに愛想のいい男が降り立ち、

ご主人様となにやら話しを始めました。

どうもにやけた男なので

胡散臭い感じがして私は好きにはなれない輩ですが、

ご主人様はたまに笑ったりして話しておられます。

そのうち、男は私の身体をデジカメで何枚も撮影し、

私の恥ずかしい部分(立ちゴケの跡)などは

念入りにアップで撮りまくり、

どこぞへ携帯で連絡を取り始めました。

また男と話し始めたご主人様は、

時折ご不満そうな顔をしたり、

私の良いところを声高にお話になったりと、

いつものご主人様とは別人のようでした。



話が終わると男は私を乗ってきたトラックへ

積み込もうとするではありませんか。


待ってください!

ご主人様助けてください!

わたしはさらわれてしまいます。

えっ、ご、ご主人様、

なにを嬉しそうに笑っておられるのですか?




そしてトラックに積み込まれる時、

私は見てしまったのです。









ご主人様の手に

私を売却する契約書が握られているのを・・・


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